2026年7月9日 — AI(人工知能)とAR(拡張現実)を融合した最先端スマートグラスを展開するテクノロジー企業「Rokid(ロキッド)」は、日本市場における本格展開戦略を大々的に発表した。

2026年7月10日より、全国の主要家電量販店やECサイトなど計75店舗での正式販売を開始。さらに国内5都市を巡る体験型ポップアップツアー「Rokid Japan Tour」を敢行する。同社は、独自開発のスマートグラス向けOS「AIOS」およびアプリケーション配信基盤「Agent Store」の展開を軸に、AIグラスを単なる「一過性のガジェット」から「日常を支えるAIプラットフォーム」へと進化させ、国内のウェアラブル市場の覇権を狙う。

■ スマートフォンをポケットから出さない未来へ、AIグラスが変える日常

スマートフォンの画面を覗き込む時代は、もう終わりを迎えるのかもしれない。今回発表された「Rokid スマートAIグラス」(国内販売価格:税込109,890円、本体重量わずか約49g)は、ユーザーの視界そのものをAIと融合させる次世代の空間ディスプレイ型デバイスだ。

Qualcommの「AR1」チップや、Sony製「IMX681」1200万画素カメラ、高輝度なMicro LEDディスプレイなど、最先端のハードウェアをその軽量なメガネ型フレームに凝縮。最大1500ニットの明るさを持つ回折光導波路技術により、屋外の明るい環境でもクリアな視覚情報を目の前に表示させることができる。

本デバイスの最大の特徴は、AIが「見て・聞いて・考えて・答える」という、人間の認知に近いリアルタイム支援だ。

  • 多言語リアルタイム翻訳:89言語に対応。海外旅行やビジネスシーンで、相手の言葉がそのまま視界にリアルタイムな「字幕」として表示される。
  • AI視界内アシスタント:ユーザーが今見ている風景やオブジェクトをカメラが認識し、「これは何か」「ここからどう行けばいいか」を音声と映像で同時に即座に解説。
  • FPVハンズフリー撮影:109°の広角レンズにより、目で見ている臨場感そのままの「一人称視点(FPV)」での写真・動画撮影が可能。

クラウドファンディングサイト「Makuake」での先行販売では爆発的な支持を集め、ガジェット愛好家のみならず、海外出張の多いビジネスパーソンや観光・教育関係者など、幅広い層から期待が寄せられていた。

■ 家電量販店など全国75店舗で発売&5都市体験型ツアーを敢行

Rokidはこれまで、オンラインや一部の先行販売を中心に展開してきたが、今回の発表により「いつでも、どこでも体験して購入できる」体制を日本国内に確立する。

① 全国75店舗のリアル店舗+主要ECで一斉販売

2026年7月10日より、ヨドバシカメラ、ビックカメラ、エディオン、ヤマダ電機などの大手家電量販店の対象店舗、および主要ECサイト(Amazon、楽天市場、SoftBank SELECTION オンラインショップなど)で順次販売を開始。実際に製品の手触りや、Micro LEDが描き出す視界を店頭で体験できるようになる。

② 全国5都市ポップアップ「Rokid Japan Tour」

リアルな体験をさらに加速させるため、東京・横浜・大阪・名古屋・福岡の主要5都市を巡るポップアップストアツアーを開催する。AIグラスは写真や文字のスペックだけではその感動が伝わりにくいため、直接一般消費者に触れてもらうことで、一気に認知を拡大する狙いだ。

■ 進化の核心:独自OS「AIOS」と「Agent Store」がもたらすエコシステム

今回の発表の最も重要なポイントは、このデバイスが「購入して終わるハードウェア」ではなく、「常にアプリが増え続け、機能が拡張していくプラットフォーム」であると定義された点だ。

【Rokidが目指すAIプラットフォームの構造】

  ┌──────────────────────────────────────────────────┐
  │         「Agent Store」(アプリストア)          │
  │    (翻訳・会議・ナビ・エンタメ、様々なAIを配信)   │
  └────────────────────────┬─────────────────────────┘
                           ▼
  ┌──────────────────────────────────────────────────┐
  │           基盤システム「AIOS」                   │
  │    (マルチモーダルAI、ハードウェアの最適制御)    │
  └────────────────────────┬─────────────────────────┘
                           ▼
  ┌──────────────────────────────────────────────────┐
  │       「Rokid スマートAIグラス」 (49g)           │
  └──────────────────────────────────────────────────┘

独自OS「AIOS」

AIグラス上での高速なAI処理やマルチモーダル(視覚、聴覚の同時並行処理)体験、バッテリーの効率的な制御を支える専用の基盤システム。これにより、外部の最新AIモデルやサービスとの高度な連携が、頭を動かすだけの直感的な操作で可能になる。

配信基盤「Agent Store」

スマートフォンにおける「App Store」や「Google Play」に相当する、AIグラス専用のアプリケーション(AIエージェント)ストア。サードパーティの開発者やパートナー企業が、自由にAIグラス向けのエージェントを開発・提供できる。

ユーザーは、自身のライフスタイルやビジネスに合わせて「観光ガイド」「文字起こし議事録」「ARナビゲーション」など必要なエージェントを追加・選択して利用可能。これにより、デバイスの価値は発売後も継続的に高まり続ける。

目玉エージェント第一弾「PettiChat(ペティチャット)」

発表会では、このAgent Storeのキラーコンテンツ第1弾として、ペットとの双方向コミュニケーションを可能にするAIエージェント「PettiChat」が披露された。100万件以上の犬猫の行動・鳴き声データを学習したAIが、ペットの感情を分析して人間にわかりやすい言葉に翻訳。さらに飼い主の声をペットに伝わりやすい形に変換するなど、ウェアラブルAIだからこそできる生活密着型の新しい体験を提案している。

■ 総括:生成AIは「画面の中」から「現実の世界」へ

2024〜2025年にかけて、Chat GPTに代表される生成AIはテキストや画像の出力で世界を席巻した。そして2026年現在、AIはPCやスマホのブラウザを飛び出し、「人間が世界を見るインターフェース」そのものへとはめ込まれつつある。

Rokidが仕掛ける今回の日本本格展開は、単なる一企業のガジェット販売の域を超え、日本の消費者が「リアルタイムにAIの恩恵を受けながら生活する」という新たなライフスタイルのスタンダードを確立する試みと言える。大手量販店75店舗という盤石な流通網と、拡張し続けるAIOSのエコシステムを武器に、Rokidが日本のスマートウェアラブル市場をどのように塗り替えていくのか、今後の動向から目が離せない。

■ 関連URL(参考リンク)

By tokita